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サクッとレビューその21「フォロウィング」


『衝撃の長編デビュー作は何故かハ◯ネタがいっぱい』

 
【サクッとレビュー(ネタバレなし)】




どーもどーも最近YouTubeで「アルフ」をエンドレス再生中のラーチャえだまめです。先日ご紹介したクリストファー・ノーランの「オッペンハイマー」……それに便乗して?彼の過去作の“リバイバル上映”が次々に企画されているそうな。そんな2024年は「ノーランの年」というなんと幸せな年なんでしょう!?本日はその第一弾



【フォロウィング】!!!いやー懐かしいなー。高校時代にノーランにハマってから大学時代に近所のGEOで借りて「天才ははじめから天才かよ!?」と衝撃に完全にひれ伏された思い出……。そのノーランの「衝撃の長編デビュー作」。聖徳太子もビックリな監督・脚本・撮影・編集・製作の5足のわらじも難なくこなし、この頃からノーラン秘技“時間軸イジり”をマスターして?話の前後を入れ替えたり現在と過去を行ったり来たり……その処女作が現在「オッペンハイマー」公開記念&製作25周年記念で4K版が劇場公開されているだとぉ…!?ということで先日「オッペンハイマー」を見た足でそのまま鑑賞。



売れない小説家のビルは創作ネタに行き詰まり、見ず知らずの他人様を「尾行」して「観察」することを習慣にしていた。しかしある日尾行していた男に勘付かれたばかりか、“コッブ”と名乗る男もまたビルと同じく他人を尾行する趣味を持った変態野郎だったのであr……言葉巧みにビルに「美学」を得意げにレクチャーするコッブ。盗人?ノンノン“アーティスト”と呼びなさい!!……とでも言いたげな、やってることはただの盗人のソレなのに本人曰くあくまで「他人の人生を盗み見る」ことを趣旨とし、その為に「他人のものを盗む」ことで?相手の知られたくない秘密、人生の一部を得ることへの優越感、さらには“大切なものは失ってからはじめて気づく”理論を相手にわからせてやろう、という教養すら与えるナニソレ俺カッケエエエエエエ!!!……という自分酔いが凄い。しかしビルは次第にこの男の仕事、否男の「生き様」に憧れを抱くようになっていく。












盗んだパンティ〜嗅ぎ分ける……♫




ヤカンが湧いたような(例え下手か)特徴的なサントラにこの頃から既にノーランの「ボンド愛」がにじみ出ていると言ってもいい、スーツ姿でスマートに「仕事」をこなすビルとコッブの姿は後の「インセプション」「テネット」を彷彿とさせる。さらに今や“イースターエッグ”と化したドアの壁に飾られた「バットマーク」……後に「ダークナイト」3部作を手掛けるとはこの頃は本人すら想像してはいなかっただろう。



全編モノクロなのは“フィルムノワール”へのオマージュと、モノクロにすることで作品を「時代=時間」から逸脱させ余計な情報を入れさせないというこだわりから。この時点で既にノーランは我々視聴者から“時間”を奪い、意のままに操る術を会得していた!?ビルの過去と現在の2パートの時間を行ったり来たりするわけですが、過去と現在でビルの髪型が違う上に出演者は仕事の合間に撮影に参加していた為、撮影に相当な時間を要していたらしい。



どことなくマリリンモンローな女優さん。時に胸元が開けたセクシーな衣装でビルを狂わす魔性の女……からもノワール臭がクンカクンカ。そして極めつけは事情聴取する警察官役にノーランの叔父貴ー!!ただの数合わせの親戚の特別出演かと思いきや、その後「バットマンビギンズ」や「ダンケルク」といったノーラン作品に出演する列記としたベテラン俳優。脚本家の弟ジョナサン・ノーランといい、本作で共同製作の奥さんのエマ・トーマスといいノーランは“身内で固めたがる”性分ですか?グチャグチャにシャッフルされた点と点とがクライマックスで一つに繋がった瞬間巻起こる「ドンデン返し」……からのまだ終わらない!?ノーランの卓越された脚本はサスペンスでよう生きる生きる……アメコミとSFのイメージが強いかもしれませんが、この人にはヒッチコックみたいな“サスペンス”も、もっと見てみたいですねー。本作は“半自主製作”レベルの低予算映画なんですけど、もうこれを見てしまうと他の映画で











「低予算だから面白くない、はただの“言い訳”」




にしか聞こえたくなっちゃうんですよね!?とまあこの頃から既にノーランの才能は開花していたと言っても過言ではないわけなんですが「他人の人生を盗み見る」という題材が、どうもこの頃のノーランは多才に恵まれながらもどこかで「他人になりたい」と切望するような、嫉妬タラタラな拗らせ系フィルムメイカーの影もあったのかもしれません!?ノーランファンを公言するならまず押さえておきたい1本かもしれませんねー。

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