破墓 パミョ(2024)
- ラーチャえだまめ
- 2024年10月25日
- 読了時間: 7分

【原題】Exhuma
【監督】チャン・ジェヒョン
【出演】チェ・ミンシク キム・ゴウン ユ・ヘジンほか
【あらすじ】
2人の巫堂(ムーダン=朝鮮半島のシャーマン)と風水師、葬儀師が掘り返した墓に隠された恐ろしい秘密を描き、韓国で観客動員1200万人の大ヒットを記録したサスペンススリラー。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『墓を掘ったら「キミに100パーセント/祟りでーしょん」??』
どーもどーもこの前劇場のトイレで殿方のシャツの背中にかかれたQRコードを読み込んだ者ですウソですラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きましたー。

ぱぁ〜みょぱみょぱみょ墓場の子……??
墓の下の、、、、皆さん結局“コレ”が言いたかったんでしょう!?早くも“ネタ”必須のコリアンホラー最新作【破墓 パミョ】!!??しかしながら可愛げな響きとは裏腹に意味は読んで字の如く“墓を破壊する”……ファションモンスターもビックリなタイトルだけでもう祟られる気がしてならない大変物騒な映画が先日より日本凱旋。韓国のシャーマンこと“巫堂(ムーダン)”を営む若い男女がある富豪から“跡継ぎが代々呪われる”怪異の解明を依頼され、どうやら“ご先祖様がお墓に逆鱗している”という……先祖の墓参りはちゃんとしなきゃダメですね!!ことが判明し、風水師と葬儀師のおっさんずラブも加わり先祖のお墓を見に行くのですが____
風水的にメチャンコ“BAD”な土地に埋められていたことがわかりこりゃ一体誰がこんな場所ススメたんだよ!?など謎が深まる中、一行は急ぎ“改葬”(墓を別の場所に移すこと)とお祓いを“同時”に行う荒技で呪いを鎮めようとするのですが……古代エジプトのイムホテップもビックリな“トンデモクライシス”な墓の真相とは…!?
“山2つ”といいますか壮大な“お祓いアベンジャーズ”といいますか、今作はいわば

「来る」「エンフィールド事件」を足して2で割った
ような映画、だったんですねー。
風水師“サンドク”に「オールド・ボーイ」「シュリ」のチェ・ミンシク。今回はテロリストや殺し屋とは無縁のふくよかな体格に穏やかな顔立ちのマスコットキャラのような存在感で親しみやすさはバツグン。でも仕事場では墓の土を舐めて土地の運気を当てる利きタイヤならぬ“利き土”をも会得する実力者の風情もありますな〜。そのサントクを“兄貴”と呼ぶからてっきり兄弟なのかと思ったらただの子分だった相棒の葬儀師“ヨングン”に韓国のコメディ俳優ユ・ヘジン。名優2人が主演、ということで?個人的にかなり“硬派”なホラー、それこそ「女神の継承」みたいなものを想像していたんですけども、、、、、、

韓国の火葬の仕方だったり、あちらの国の葬儀仕様がどんなものなのかは正しく(?)勉強にはなりましたが(たとえば雨の日は火葬できないとか……て当たり前か)奇想天外な巫堂による“エクストリームお祓い”や仲間を呼んで一緒にお祓いしてもらうなどヴァチカンのラッセル牧師もビックリの大迫力な「魅せるお祓い」に特化しているという!?これ准一ダビッドソン岡田くんの邦画「来る」を明らかに意識してません??(“電話”のシーンとかまんま同じだし)今作はホラー映画でありながら非常に「エンタメ」寄りで、反面ホラー映画としての恐怖度数はそれほど高くありません。故にガチホラーを期待して行くと肩抜かしを食らうかもしれません。逆にコメディ要素もありサンドクとヨングンの掛け合いに一部ファンはキュン死が止まらない??
さらに前半戦・後半戦と「2度美味しい?」視聴者を楽しませる2度のドンデン返し。この展開は「死霊館2」を彷彿とさせますねー。先祖のお墓って実際何が埋まってるかなんてはっきりとわからないじゃないですか?実は自分の先祖が眠る土地が呪われてましただなんて残された祖先にとってはただの迷惑でしかない!?でもって今作はそのお墓の土地の良し悪しを決める「風水」がめっちゃ活躍する、というか風水のチカラで怪異に立ち向かうお話なんですね。私は風水なんぞ全ーったくの無知でありましたが、たとえ聞き慣れない説明とか飛び出しても、全く説明がないわけではありませんのでご安心を。そんなスピリチュアルなネタでオタク映画になりそうな所、万人受けするようにかなり「娯楽」を意識して作られていて、その辺のバランスは良かったですねー。

少し気になったのが商業的理由なのか、SFアクション「ウィッチ」から感じていた“欧米化”スタイルは今作にも取り入れられていて、ただ今回は別にイングリッシュ化にする必要性を感じないゆえにただ物語と関係なく海外資本にぶっ刺さるよう媚び売りたい感丸出しだし、問題のアレ……怪異の「斜め上すぎる真実」は、日本人の中にはちょっと「拒否反応」を示す人もいるのでないでしょうか??“反日”とまでは感じませんでしたが、はっきり言って“日本人はあまりいい気はしない”何かきな臭さを感じずにはいられないというか、もし邦画でこれの“逆”をやったら向こうじゃご法度なんでしょう?こういう全く関係のないエンタメでそれを感じてしまうのはつくづく残念でなりません。
まぁそれさえ目をつぶれば?各キャラクターのバディ感もいいし墓荒らし(?)ミステリーとしてシリーズ化もされそうですね!!
【感想(ネタバレ)】

ジュンジ、ノロイ、しゅきぃ〜!!!!
“ムラヤマ・ジュンジ”って誰……!?いくら今年のエミー賞を総なめしたからって“SHOGUN”ネタをぶっこんでくるとは……(コッチのが先だけど)あらすじとかでも一切隠されてましたよね??Mr.ムラヤマ?……ハルキですか?日本人にしてはチェ・ホンマンクラスのデカさ、やたら前進前進うるさい戦国時代の落ち武者の霊は朝鮮出兵の際にお館様(豊臣秀吉?)から「朝鮮半島を2つに分断しろ」と言われたんでしょう、富豪の墓が眠るあの土地を呪っていたと。なぜ土地を呪っていたのかと言えば、劇中度々登場する「キツネがトラの腰を切る」の言葉がヒントでした。“キツネ”とはムラヤマさん、“トラ”とは朝鮮半島の形が虎に似ているからそう呼ばれており、“トラの腰”=朝鮮半島のちょうど韓国と北朝鮮の間に位置する場所に杭を打つことで半島を2つに分断していた、というトンデモクライシスな都市伝説、とでも言うのでしょうか?ちなみにムラヤマさん関ケ原の戦いにも参加していたということで?“キツネ”のあだ名で呼ばれていた“石田三成”のことを指しているのではないかと……。
「とにかく日本の精霊は近づいたら即ハメされるレベルで手に負えない」なんて、もうどうしようもねえク◯みたいな言い分やのう!?OPで巫堂の娘が「私、日本人じゃありませんので」……「私絶対失敗しないので」の米倉涼子みたいな言い方しやがって可愛く無!!!まあでもムラニシさん(もう名前間違えてんじゃん…)が日本語ペラペラでおそらくホンモノの日本人が声を当てたのでろう(聞くところによると声優の小山力也さん説ある?)巫堂の2人も日本語がとっても上手でしたし、“日本で公開する前提”であった可能性も…??いやしかし関ケ原まで生きたサムライが

「クソババア」だけ現代語なのなんかジワル
ちなみにこのムラヤマの墓と富豪の祖父の墓は全く“関係性はゼロ”、ではなぜ同じ場所に“重葬”されていたのか。富豪の祖父はかつて日本側についた高官で、いわば韓国の“裏切り者”だった。彼は日本に国を売ったことでその見返りとして富を得ていたんですね。だから祖先たちはあまり墓のことで根掘り葉掘りされたくはなかった。そして彼を埋葬する行事をとりおこなった“キツネ”こと日本の陰陽師は、その高官という立場を利用しムラヤマの墓に盗賊など人を寄せ付けないように秘密裏にムラヤマの墓の上に埋めた、というカラクリだったんですねぇ。

こう見ると物語はなかなかよく練られていますし、単純に日本の歴史もよく知らなければ作れない……うーんこれはリスペクトと呼んでいいのだろうか。最後はいくら掘っても見つからない杭が土に還って墓穴自体になったことで?風水的「鉄より濡れた木の方が強し」理論に則り盗賊が使っていた木でできた斧に血を塗りたくって即席エクスカリバー一丁上がりってか?そのまま惨殺されて消えてなくなってしまいましたが。これでムラヤマさんの怒りが本当に納まったのか……それでは皆さん“PART2”でお会いしましょう…!!
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