【原題】Deadstream
【監督】ジョセフ・ウィンター、バネッサ・ウィンター
【出演】ジョセフ・ウィンター、メラニー・ストーン、ジェレミー・ワーナーほか
【あらすじ】
炎上系配信者として人気を集めていたショーンだが、過激すぎる企画が原因でアカウントを停止され、スポンサーやファンから見放されてしまう。配信者としてすべてを失ったショーンは名誉挽回をかけた企画として、ある廃墟でのライブ配信を決行する。深い森のなかにたたずむその廃墟は、かつて何人もの住人を死に追いやったといわれる、いわくつきの館だった。ライブ配信を盛り上げるために館内を荒らしてまわり、視聴者のコメントにあおられて挑発的な行動を繰り返すショーンは、やがて触れてはならない何かを呼び覚ましてしまう。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】
『エナジードリンクより粘着テープをスポンサーに変えたら?』
デッッドストリーム……
デッッッッドストリーム……
♪〜
遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇
……にそびえ立つ廃墟に無許可で突撃したお騒がせYouTuberが?お騒がせし過ぎてそこに住み着く怨霊の恨みを買ってしまい怪異に巻き込まれる「全部お前のせいだよ系」ホラー
【デッドストリーム】!!!どーもどーもお相手はわたくし、ラーチャえだまめがお送り致します……ということでやって参りました超低予算&監督・脚本・製作・編集・音楽を夫婦二人五脚で作り上げた力作でありながら海外のインディーズ系映画の祭典“サウス・バイ・サウスウエスト(通称SXSW)映画祭”で高い評価を得たという?劇場チラシにゃあ“Z世代版「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」”なんて書き込みまでされているではないか?ホラーファンの間で公開前からジワジワと話題沸騰していた今作。“POVホラー”なんて今更すぎるもうとっくに旬が過ぎたジャンルかと思いきや、ここまで話題になっているからにはさぞ何か理由があるはず……と思っていたのですが
“炎上系”VS悪霊の「バズり対決」って何?
今作は俗に言う“炎上系”ユーチューバー“ショーン”の、“ショーンの怒り”という動画チャンネルで2年前に“実際に配信された”録画映像を見る、というテイではじまるPOV映画。と言ってもショーンは頭上カメラのほか、自分の顔を映す二人称カメラに定点カメラ等、いくつも視点が切り替わるのでずっと同じ視点で……という飽きはなく、POV特有の酷い画面の揺れも極力抑えられている点は見やすかったですねー。
で物語……なんてものはもうほぼなくて、開始早々ユタ州のどこかの森にあるいわくつきの廃墟に単身乗り込み前半はペチャクチャ視聴者に語りかけるショーンをひたすら映すのみでこれといった動きはない。ここがちょっと退屈に感じてしまった。いや真っ暗な部屋の中を恐る恐る進むハラハラ感や何かがいそうな気配、みたいなのは充分伝わってくるんだけれど、いかんせんショーンが、ショーンがもうとにかく……うるさいから(笑)あまり怖く感じないのである!?
と思っていたら中盤からようやく進展。しかしここでも顔に似合わず女子みたいな叫び声と超ピンチなのに小ネタは必ず忘れない。そもそもアメリカンジョークで腹抱えて笑えるタイプじゃないんだけど、このショーンのリアクションがちょっと“わざとらしい”のが凄い気になっちゃったんです。これ面白いでしょ?みたいに言われているような。「ゾゾゾ」みたいなガチホラーじゃなくて視聴者数欲しさにワザとギャーギャー叫ぶ「痛いユーチューバー」に酷似して見えてしまって。だからずっとシラケながら見てました。これ笑える?レビューの中には劇場で笑いが起こったとチラホラ見かけたのですが。私が行った劇場ではむしろその逆で週末の昼過ぎの結構人入ってたと思うのですが、私含めてみんな終始ずっと「笑いゼロ」だったんですけど?(場所柄シニア層が多かったとか?)あまりにわざとらしいから「コレもしかして全部ヤラセオチ?」みたいな、最後に実は全部ウソだとわかり、それまでおバカな役を“演じていた”ショーンの本当の顔が映って、むしろそっちがホラーでした!!みたいな?「カメ止め」みたいな映画なのかと思ったさぁー。
近年の「ヴィチクソ」で“幽霊に物理攻撃が有効”の前例を作ってしまったからか、今作も幽霊、というか白塗りのほっかほかの“人”とかゾンビとか低予算ながらちゃんとスーツ作ってるところは好感持てるし、ハグしたりアソコをパックンチョされたりバズーカ砲ぶっ放したり“幽霊とは?”の常識を覆すアンビリバボーアクションはなかなか良かったですね。低予算を逆手に取ってもうムチャクチャにコメディにしちゃえっていう勢い?この突き進んだ感じはサム・ライミの「死霊のはらわた」に近いかもしれない??いやオマージュってんだよね……コメディホラーだから全年齢対象かな?ジャンプスケアもあり中盤以降はビックリシーンがいくつか用意され夏休みに中高生の肝試しにはいいかもしれません!!
ほぼ主人公の一人芝居のコミカルさにバズらないとなかなか難しいですね……。
Comments