PIGGY ピギー(2022)
- ラーチャえだまめ
- 2023年10月5日
- 読了時間: 4分

【原題】Piggy
【監督】カルロタ・ペレダ
【出演】ラウラ・ガラン カルメン・マチリチャード・ホームズ ピラール・カストロほか
【あらすじ】
スペインの田舎町で暮らす10代の少女サラは、クラスメイトから執拗ないじめを受けていた。ある日、あまりの暑さに耐えきれず1人で地元のプールへ出かけた彼女は、そこで怪しげな男と、3人のいじめっ子たちに遭遇する。その帰り道、サラは血まみれになったいじめっ子たちが男の車で拉致されるところを目撃。警察や親に真実を打ち明けて捜査に協力するべきか、それとも沈黙を貫いて自分を守るべきか、決断を迫られるが……。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『ミサンガの切れ目が縁の切れ目ってね!!』
どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました

【PIGGY ピギー】…!!!“もう小ブタなんて言わせない”……いやーこれまた超絶インパクト大な映画が爆誕してしまいました、以前新宿のシネマ館で輸入版ディスクが売られていて全身血だらけになったふくよかな女性が立ち尽くすパッケージを見た時に何故か「悪魔のいけにえ」の終盤のレザーフェイスにそっくりだなと。てっきり酷いイジメにあった主人公が怒りの臨界点を突破していじめっ子たちに壮大に復讐するスカッと話か?はたまた“人肉加工製造所”勤務の娘のサイコパスホラー??……とにかくゴリゴリ18禁の世界殺戮劇場が展開されると思いきや

海坊主と運命の出会……
スペインの田舎町で家族経営の肉屋の店番をするサラ。仕事中はいつもヘッドフォンをして完全に“自分”と“外”をシャットダウン。人と接するのを嫌い内気な性格で家族に対しても“自分の口から思ったことが言えない”家族の中でさえ“孤独”を感じている。そんな彼女をイジメる同世代のナウいヤング達。その中には“元”親友の娘もいて……むかつくヤツのインスタだけ監視するつもりが間違って「いいね」押しちゃった時のフ◯ッキュううう!!!!……自分の指を呪いたくなりますよね?ある日サラはあまりの猛暑で衛生的にちょっと心配な自然プールに水着姿で涼みにやってきたらですね、そこにいた“先客”の男とイジメっ子達に偶然遭遇してしまいます。

イジメっ子はサラにまたしても酷い仕打ちをして逃亡。泣きながら一人水着姿で道路を歩いて帰るサラ。そこへ先程の先客の男が乗った車がサラの前に止まり男がサラに何も言わずにタオルを渡すのです。なんだコイツただのイケメンか…?いえいえその男凶暴につき、何の因果かサラのイジメっ子たちを今まさに車で誘拐中だったのであります!?荷台の窓から顔面血だらけの元親友がサラに向かって「助けて!」と叫ぶ。驚愕するサラ。「お願い助けて!!!」

バイバイキーン…。
都合ケイン良すぎだわ成敗ッ!!!ざまあ味噌漬けぇええー!!!!!……とそのまま泣き叫ぶ顔を拝みながら車で連れ去られるまでは良かったものの「ココからがメインストーリー」と言っても過言ではございません??シリアルキラーによってイジメっ子たちの誘拐の瞬間を目の当たりにしてしまったサラ。「助ける?or見殺しにする?」ココです!!本作のメインとなる柱、自分を苦しめたイジメっ子だよ?いい気味じゃないですか!!…と思う方もいるでしょう、いやいやだからって犯罪者に誘拐されて黙って見過ごす気ですか!?アナタそれでも人間ですか!?……どちらの言い分もわからんでもない
でもね「親友を助ける」と言うことは、警察に当時の状況を説明せにゃならん。と言うことは?事件が起きる直前の出来事、プールでイジメっ子たちに自分がいじめられていたことも話す必要が出てくるわけです。警察に証言すれば小さい街ですから当然街中に噂は広がり、生き恥をかくことになるんですよ!?なんたる地獄、自分がイジメにあっていることを自ら世間に公表する……アナタならそんなこと出来ますか?

サラは言う「私は間違ってばかりだから」……サラは自分でもわかっているんですよね。少しは痩せよう、見た目を変えよう、きっと心のどこかで思っているはず。でも努力できない。両親も娘のサラのことを「わかった気でいる」ここもちょっと思考が噛み合わない、ズレているのです。思春期の親と子のズレも描いております。
果たしてサラはどちらを選ぶのか。そしてサラの身にも誘拐犯の魔の手が忍び寄る?……というずっと追い詰められるサラ。見ていて辛くなるシーンもあるかもしれません。どこの国でもイジメは同じ「ダメ絶対」そんな中サラ自身の“成長”が物語の転換期となる、こう見えて実は“青春映画”でもある。これは面白いですねー。ちょっと牛の件が都合良すぎだモォ〜!!だったりしますが、誘拐犯とサラのあってはならない「繋がり」サラが危ない橋を渡る怖さ等、このあとどうなるんだというハラハラもあります。ミサンガ……今の時代まだあるのかな?え今はもう死語だって?それでも言わせていただきます「ミサンガの切れ目が縁の切れ目ってね!!」
Comments