Pearl パール(2022)
- ラーチャえだまめ
- 2023年7月17日
- 読了時間: 5分

【原題】Pearl
【監督】タイ・ウェスト
【出演】ミア・ゴス デヴィッド・コレンスウェット タンディ・ライトほか
【あらすじ】
スクリーンの中で歌い踊る華やかなスターに憧れるパールは、厳格な母親と病気の父親と人里離れた農場で暮らしている。若くして結婚した夫は戦争へ出征中で、父親の世話と家畜たちの餌やりの毎日に鬱屈とした気持ちを抱えていた。ある日、父親の薬を買いにでかけた町で、母親に内緒で映画を見たパールは、ますます外の世界へのあこがれを強めていく。そして、母親から「お前は一生農場から出られない」といさめられたことをきっかけに、抑圧されてきた狂気が暴発する。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『アフラックの死亡保険に入り忘れたアヒル』
どーもどーもセロリのスジってえ、これとるんですか?ラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【Pearl パール】!!!!エロティストエェーーーックス!!!……性欲者たちが去年話題を呼んだ「キャビン・フィーバー2」「サクラメント」のワイルドワイルドタイ・ウェスト監督×絶好調中A24スタジオによる“初のシリーズもの”ホラー、その第一弾せっk…「X エックス」は1979年のテキサスを舞台に、ポルノ映画の撮影にやってきた若い男女がロケに選んだ農家に潜む老夫婦の御婦人の方が?若者たちを歓迎するどころか“若さ”に嫉妬して若さぁー若さぁってなぁーんだ!!セ◯クスすることさぁー!!!と宇宙刑事も出動するレベルのとんでもクライシスな性欲ババアだった……と老夫婦の夜の営みまで強制的に見せられ何かと衝撃的だった前作のエンドロール後に公開された映像で、実は前作で主人公マキシーンを演じたミア・ゴスが特殊メイクで性欲ババアも演じていたというエンドクレジットですら隠された一人二役の事実を裏付けるかのごとく、またしてもミア・ゴスが今度は性欲ババア(何回言わせんだよ)こと「パール」の「若かれし頃」を演じるという?前作から60年前を舞台にしたパールの知られざる前日譚、「何故彼女は殺人鬼になったのか」が明かされるのかと思いきや

既にイカれてんじゃねえか!!!!
いやー「メリーポピンズ」みたいなOPからいきなり「血祭り」劇場だなんて、もう既に「どこかおかしい」カッとなるとつい「殺害衝動が抑えられない」絶好調中のパールを演じるミア・ゴスの

「女優魂」が大噴火
していると言いましょうか??今作ではプロデュースのみならず脚本もタイ・ウェストと共作したという気合いの入れ具合。前作で演じた「一般人」から「殺人鬼」という180度違うキャラクターを演じるのかと思いきや「ポルノからあたしゃスターになる!!」だった前作のマキシーンなら、パールは「ク◯ド田舎からあたしゃ抜け出してやる!!」という!?「野心メラメラ」な意味では2人には共通点があった?人里離れた農場で病気で硬直状態の父の世話をしながら農作業する人生から抜け出したいと思っているパールでしたが、厳格な母がそれを許すこともなく、彼女の唯一の生きる楽しみは母に黙って父の薬を買いに行く途中でこっそり見に行く映画館。パールの純粋に「映画」への憧れを表すいいシーンでした。しかもその映画館で映写技師をしているハンサムなダンディメンと出会い、人妻でありながら戦争に行って帰ってこない夫とのセックスレスを解消するかの如く彼に恋焦がれてしまうのですが……

前半は正直「退屈」でした。が、パールがついに「取り返しのつかない」ネクストステージに駆け上がっていく後半から徐々に面白くなってくると言いますか、「情緒不安定さ」がもう顔に出ちゃってると言いますか

情緒不安定MAX−地獄のデス・エンドロール−
ジャック・ニコルソンみたくまゆをピーンと吊って「ニッコニコで笑ってるんだけど泣いてる」ぐちゃぐちゃな精神をミアが見事「顔」だけで演じているシーンを!?エンドロール中ずっと垂れ流すんですね!!ここが一番の恐怖ポイントでしたね。人間がイカれる様というのはやはり見ていて気持ちが悪くて恐ろしい。ミアが見事にパールに憑依しているのがわかる名演技でした〜。そんな顔して「シャイニング」ばりに“平然と斧振り回してくる”んですもの、身内にいたらたまったもんじゃないよ!?前作はそこまでグロ描写は控えめでしたが今作はそこそこの人体破壊シーンもあり前作よりは暴力描写はアップしておりました。
そんなサイコパスとして共感できないはずが、カメラの前ではじまる「恐怖の長台詞」シーン。これはスゴいですよ〜。感情を荒らぶかせ画面の向こう側にいる我々に向かってこれまた圧倒的な演技で語られる彼女の「生きづらさ」、それは誰しもが当てはまり共感を呼ぶものなんじゃないか?……このサイコパスと“人間らしさ”両者を兼ね備えているからこそ、とても味のあるキャラクターになってNEWホラーアイコンとして只今ムーブメントを席巻中?
今作のタイトルこそ「パール」ですが、たぶんシリーズ通して「X」とは「Xファクター」の意味ですよね?「Xファクター」とは決め手となる特別な才能のことを言いますが、人は皆特別な才能を持っていても、何を与えられるかは自分で決めることは出来ません。パールはそんな“夢と才能が合致しない”ことに納得できず「イヤじゃイヤじゃぁ〜!!!」と駄々をこねる子どものように甲高くキーキー泣き叫びながら襲ってくる非常に厄介な存在なのです。果たして本当にパールの才能は「人殺し」だけなのだろうか…??ちなみに次回作は85年が舞台の「MaXXXine」というタイトルらしい。前前作の続き、ということは再びタイトル通りミア・ゴスがマキシーンを演じるのか……忙しいなオイ!!
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