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NOCEBO ノセボ(2022)


【原題】Nocebo

【監督】ロルカン・フィネガン

【出演】エヴァ・グリーン マーク ストロング チャイ・フォナシエルほか

【あらすじ】

「ビバリウム」のロルカン・フィネガン監督が、幸せの絶頂にいた家族が恐ろしい怪異に見舞われる姿を独特の世界観で描いたホラー。(映画.COMより)











 
【感想(ネタバレなし)】

『“ユニ◯ロ”全否定映画』

 




どーもどーも年末年始は某店のヒートテックセールに食らいつくラーチャえだまめです。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。そんな正月バーゲンセールとは言えまだまだ物価高が続く中、お高い洋服がちょっとセールで安くなっているからと飛びつくも隣のファストファッション店に似たような服がそれよりも何倍も安く売ってるじゃないのー!?なんてショックを受けるあまり「もう安物の服でいいじゃん。」と諦めかけた方にさらなる絶望を与えるかもしれない??本日はコチラの映画を拝見させて頂きました



【NOCEBO/ノセボ】!!!3年前に美空ビバリウムッ!!!(これ言ってんの俺だけ…)こと少子化対策に子作りしようと思える経済的豊かさの実現が先なのに小賢しく夫婦に5000円くらい1回払って無理やり子作りさせたって上手くいきやしないのだというテーマが奇遇にも日本でダイレクトアタックした異色作「ビバリウム」のロルカン・フィネガン監督の最新作と言うことで?しかもその前作はホラーと言っても“異様に不気味なキッズ”が出るくらいであとはタモリ案件(「世に奇妙〜」)っぽい世界観で時より笑えるシーンもあったりなんかで…それが本作は“ガッツリホラーっぽい”??ということで気になっておりました。



まずいかにも意味アリストテレスさがクンカクンカするタイトルの“NOCEBO”……皆さんプラセボ効果というのをご存知でしょうか??全く効き目のない偽薬を飲ませてんのに「この薬は効果がありますよ〜」といかにもな医者が言うことで実際にないはずの効果が出てしまうことをプラシボ効果と言うのですが、その対になる単語としてノセボ効果、つまり全く副作用がない薬を飲ませてんのに「この薬は副作用がすごいですよ〜」といかにもな医者に言われるとホントに副作用が出てしまう……人の身体って不思議ですね〜。本作はまさにその“偽りを信じる”ことで“ありもしない副作用”に悩まされる映画とでもいうのか__??





 




ファッションデザイナーのクリスティーンはファッション界で成功を収めるも直後に無数の“ダニ”に貪られた黒い犬の幻を見て犬のブルンブルンから飛び散ったダニに噛まれてしまう。それから8ヶ月後___



筋肉の麻痺と酷い倦怠感それに記憶障害に悩まされる日々……いや仕事してる場合か?アフリカかどっかの新種のダニだよそれ!!はよお大学病院で入院せな……なんてコッチは思っちゃうわけですが彼女はバリバリのキャリアウーマン、そうは言っていられないのですよ!?そこへ頼んだかどうかさえ記憶にござらん「ヘルパーさん」がやってきて「今日からアナタをお世話します」だぁ〜?はじめは疑うクリスティーン、でも最近仕事も忙しかったし「ま、忘れてたんかな。」と____フィリピンの南の方からやってきたという“ダイアナ”と名乗るその怪しい女性を家に迎え入れてしまうのです??当然旦那や娘には猛反発を喰らうも、ある日いつもの症状に襲われたクリスティーンを「私が治します。私___失敗しないので。」と言ってはいませんがその場でクリスティーンの麻痺した腕に手をかざすと?みるみる症状が和らいでいくじゃありませんか…!?



クリスティーンを演じるは43歳未だ美しさと色気が止まらないエヴァ・グリーン。いやー今作のエヴァ様はびっくりですよ「パニックスイッチが止まらない」。「シン・シティ」でも色白(いやあれはモノクロ)なエヴァ様でしたが、今回はとても病弱な母親、というか終始とっても「顔色が悪い」薬がないと生活できない、就寝時も酸素マスク?しないと寝れない、悪夢にうなされて汗だくになって起床して……なんだかとっても疲れてて具合が悪そうな女性を見事に演じているだけではなく?突然幻想を見てパニックになって錯乱したり、いやーもうワイングラス破れるんじゃないかってくらい「すげぇ叫ぶ」のが、ちょっと意外というかこれまでクールな役が多いエヴァ様とはまた違った役どころ、今回見事に演じておりましたね〜。



その妻を支える優しさはあれど“基本他人を見下す”ちょっとイジワルな夫を子守唄は「カントリィロォ〜♪」のマーク・ストロング。そして“怪しすぎる”ヘルパーの女性をフィリピンのシンガーソングライター、チャイ・フォナシエルという方が演じているのですが、この方も有名人オーラを完全に消してマジで異国の田舎から出稼ぎでやってきた人になりきっているんですね!!しかもチョー怪しいしクリスティーンの病を治すとか言って“地元に伝わる伝統的な呪い”とか突然始めちゃうし〜!?



でも面白いのが、普通「では彼女の正体は??」で終盤まで引っ張る所を、本作は割と序盤であっさり「正体を明かす」のです。だからちょっと怪しいんだけど、あれもしかして「私が疑いすぎなのか?」次第に疑い半分“信じる”半分……と見れるコッチもダイアナに対する感情が徐々に変化していくかもしれません??そしてダイアナはクリスティーンに病を治したければ「私のことを“信じなさい”」とつぶやくのです。果たして彼女がクリスティーンの元にやってきた“真の目的”とは__??



水の入った瓶に石入れてそこへストロー差して息でブクブクブク…??ダイアナ曰く「瓶の中の汚れた水が透き通れば病が回復する」と言うのですが信じらんねぇ……。なんていう未体験すぎる“お清め”が多数登場。このような東南アジアの“呪術”系だと去年やった「イビルアイ」と少し雰囲気が似ている。また本作はアイルランド・アメリカほかフィリピンとの合作、ということでフラッシュバックシーンで何度もフィリピンのシーンが出ます。イングリッシュ映画なのにアジアテイストも挟んでくる所がまた変わっていて面白いなーと思いました。



“純粋無垢のホラー”ということですが、ジャンプスクエアというより“ダニの怖さ”ですねハイ。ダニまみれの顔とか最悪ですし“デカいダニ”まで登場するので(あれはかなりトラウマ)虫嫌いの方はちょっと注意した方がいいかもです…!!



ラストはまた“皮肉”が効いているというか、またしても“物価高”に喘ぐ日本も例外なく“当てはまる”なんとも他人事には出来ない社会問題への警告!?“裕福”のウラにいる“社会的弱者”の存在。彼らあっての幸せなんだと、世の中不公正過ぎなんだよ畜生ーー!!!!と気付かされると言うか…。






 
【感想(ネタバレ)】










「今日からファストファッション買えないね?」





いやこれってまさに商品の低コスト実現のために東南アジアとか物価の安い土地に工場立てて安っすい賃金で現地人働かせるファストファッション業界への警告!?でもってその従業員の中にたまたま神の力を持った女性がいて元請けデザイナーに復讐する話だったんですねー。はじめ突然ダニが出てきてそれから8ヶ月後……長ッ!と思ったんだけど、OPからすでにダイアナの“報復”は始まっていて彼女は長い時間をかけてとても用意周到に計画を遂行していたのがわかるというか、そりゃ愛する娘を不慮の事故で亡くしてその原因を作った相手なのだからそこまでするのは当然か…。



ダイアナは魔界の北京ダック??を丸呑みしたことで不思議な能力を受け継ぎそれで生計立てて裕福になれたかもしれないのに、幼い頃から両親にその力を利用されたり周りからイジメにあって孤立したり村を襲われ住む場所を失ったりで、必ずしも「才能≠裕福」というのがまた酷い世界なんですよね。でもダイアナはその力を捨てなかった。最後まで“才能”だと信じ続けた。結果的に“復讐”というカタチで彼女の才能は最大限開花されちゃったわけだが__。



だからクリスティーンの娘に「良い才能は消す必要ない」って言ったのかな。自分の才能を信じろと。そして娘が自分と同じように変わり者だと周りからイジメにあう姿を見てどこか自分と重なる部分があった、だからラストで娘に自分の才能を“継がせる”という選択をした。ただそれは“呪い”と一緒で死ぬまで付き合わなければならないもので、作中言及はされませんが多分あのチカラには何かしらの“代償”があったんじゃないか。例えば愛する者を失うとか。それがタイトルの“副作用”にもまた掛かっているような感じもしました。まあ恨んだ相手の娘だしダイアナ的には娘の将来の責任までは考えんか……。


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