GONIN(1995)
- ラーチャえだまめ
- 2020年11月5日
- 読了時間: 5分

【原題】GONIN
【監督】石井隆
【出演】佐藤浩市 本木雅弘 根津甚八ほか
【あらすじ】
バブル崩壊により暴力団・大越組に多額の借金を抱えてしまったディスコのオーナー万代。彼はさまざまな出会いにより知り合った4人の男たちと共に、大越組事務所からの現金強奪を実行する。しかし、それも些細なミスから大越組に知れ、彼らは命を狙われることになる……。(Yahoo!映画より)
【感想】

『いやKUNINじゃん』
どーもどーもHITORIっ子ラーチャえだまめです。私ごとではありますが最近ちょっと時間が取れませんでして更新頻度が悪くなっております事、何卒生温い目で見て頂けると幸いでございます。そんな訳で今日はコチラの作品を拝見させて頂きました
ホンダフィットは?ジャニーズは6人から減って?そう【GONIN】!!!いやーずっと見て見たかった邦画でございます。今から25年前の1995年に公開されたコチラの映画、一体何で知ったかと言うと夕方のニュースの犯罪特集で流れる曲がずっと頭から離れなくて調べたらそれが本作のテーマ曲だった……はいク◯どうでもいいですね

佐藤浩市本木雅弘竹中直人に椎名桔平、そしてビートたけし……今みてもゴイスーなメンツが総出演していて「ジャパン・ハードボイルド」との評価が高いGONIN!?その名の通り何の因果か集まった“GONIN”の男がヤクザから大金をマカのチカラならぬ“チャカのチカラ”で強奪しちゃうんだけれどもそうやすやす安村も安心出来ないヤクザの金を盗んだことによる「泥沼の報復劇」が繰り広げられてしまうという……なんだかカブトムシ、、、あいやVシネ臭いストーリーも気になるところではありますが
うわ〜新宿バッティングセンターだぁ〜!!昔よく遊んだなぁ〜!!龍が如くで……そこでバットを振るHITORIの男、佐藤浩市演じるバンダイは平野ノラが沢山いたバブル黄金期で富を得たディスコのオーナー。しかしそれも今は昔竹取の翁より下落した経済俗に言うバブル崩壊に伴い店の売上が低迷。今はヤクザ共を客にしてなんとか経営しているわけなんですねー
今や絶滅音種と化したツゥルルルル〜♪とヤクザから入る着信。バンダイは鳴り止まぬ携帯電話を無視しながらひたすらバットを振っている。そこへ隣のレーンにいた中年のサラリーマンが難癖を付け始める。男の名はオギワラ。演じるは竹中直人。なんか口にお、おにぎりでも、く、咥えてるんだなー??レベルに異様に膨れたほっぺが気になる彼もバブル崩壊により会社からリストラに遭いそのことを家族に伝えられず出張とウソをつきながら彼もまたこうしてバットを振っていたのだ___

バンダイとオギワラは一悶着あった後に意気投合、バンダイのディスコに向かう“HUTARI”。そこには品のない大勢のヤクザが溜まってやりたい放題。その中に中性的なオーラ漂うミツヤという男がいた。演じる本木雅弘。メチャクチャ若い。て言うか平成JUMPの山田くんにクリソツ過ぎる「美少年」だな〜!!しかも色っぽくクネクネ動くわ全裸になって誘惑してくるわで大河ドラマで毒殺しようとしてた渋いおじ様感ゼロの非常に女々しい役なんですね。
ミツヤとバンダイ、そしてオギワラの“SANNIN”は元刑事で石橋凌かと思ったら全然違った根津甚八演じるヒズと共謀して宝くじなんてあてに出来るかぁー!!とヤクザから現金5億円を強奪する計画を企てる。“YONIN”で決まりだな、、、、そこにヤクザの下っ端として働くチンピラのジミー桔平もなんだか加わりそうして集まった“GONIN”がついに動き出す。
キャスト陣の演技が凄いんですよね。ナイフを舐めるんじゃなくて顔に自ら斬りつける佐藤浩市は今より渋くはないけれどやっぱりオーラが違うし、モッくんも正直こんなホ◯役よくやったなというイメージだし竹中直人は狂人過ぎてもうついていけないし、椎名桔平も自分の顔叩きながら叫びまくるしもう皆さんわけわかんねえくらい迫真すぎて迫力が凄いんですよね。だからこそ、その演技がなんだか勿体ないというか「行って帰ってくる」怒りのデスロードばりにこれ結局やってることってただ「奪って奪われる」の捻り一つない復讐劇であり

バ◯な素人がバ◯なヤクザと銃撃戦を繰り広げるのをめちゃくちゃカッコよく撮った映画
確かに「画」一つ一つはカッコいいのよ!?独特なカメラワーク、雨のシーンはめちゃくちゃバエるし、カッコよく“魅せよう”とする凝った演出はむしろ日本映画っぽくないことをやってるなーという感じがあります。
しかしGONINもヤクザもどっちも無計画過ぎるというか無防備過ぎるというか、、?いやいやキャラメルとか買わなくていいからはようバス乗れよおおお!!とか「何故逃げきれたと錯覚している?」キャスト全員「ツメが甘過ぎる」ってのもなかなかありません。なんか見ててイライラしてくるんですよね、もう全員死亡フラグ立ちまくりで。いやむしろ「死にに行っている」感じすらあるというか。
あのビートたけしでさえ片目モノモライになりながら「なんだテメェこのヤロウー!!」って“いつもの”北野節で怖くてヤバい殺し屋をまたしても演じているんだけれどソイツも結局、、、、ほかにもOPの“意味アリストテレスと見せかけて意味ナサストテレス”なシーンにヒロインがいないから?やたら“ホ◯サピエンス”なシーンもなんか気になりますね。いやその要素いる?っていう……

そんなGONINとヤクザの“どんぐりの背比べ”状態で両方グダッグダな展開がある意味楽しめる、しかし本作で描かれるのはGONINという「一般人」が現金強奪という強行に走る恐ろしさ、胸に秘めた“怒り”の大きさ、そしてそんな彼らにチャカという伝家の宝刀を持たせたらあとえ天下のヤクザでさえ「手が負えない“狂犬”」になる、、、、これを見事に描いていると思いますねー。
そして彼らを狂犬にしたもの、それ即ち「不景気」であります。これがまたなんとも社会風刺的というかなんというか、私がちょうど生まれた年に当たる当時のバブル崩壊も相当だったと聞きますが、今まさにこのコロナ禍にも同様のことが言えてしまうのではないでしょうか??リストラに倒産、全てを失った者たち……
それが集まった時GONINとは、失うものが何もない「狂気」そのものかもしれません…。
Comentarios