top of page

DEAN ディーン(2016)


【原題】Dean

【監督】ディミトリ・マーティン

【出演】ディミトリ・マーティン ギリアン・ジェイコブス ケヴィン・クラインほか

【あらすじ】

ニューヨークで1人暮らしをするディーンは、1年前に亡くなった母の喪失感から脱却できず、父のロバートも妻を失った悲しみを忘れられずにいた。ある時、ロバートから実家を売却する相談を持ちかけられたディーンは、決断から逃げるようにロサンゼルスに旅に出る。一方、ロバートは不動産屋のキャロルと恋に落ち、徐々に人生に活気を取り戻していく。やがてロサンゼルスから戻ったディーンは、ロバートと本音で語り合い…。




 
【感想(ネタバレなし)】

『ド正論』

 



どーもどーもお風呂上がりにスルメイカを噛みながらスキンケアを塗ってたらイカに全部つきましたラーチャえだまめです。今日はコチラの作品をご紹介したいのですが【DEAN ディーン】。えーまず初めにコチラ現在“ネットフリックスでのみ視聴可能”となっております。いえネトフリオリジナル特別な存在なのでs……ではないのですがまぁーきっかけはですねネトフリサーフィンしてたら“意気消沈した主人公がLAに旅に出る”的な「ええええええええ??俺じゃん!?これ去年の俺じゃあああああん!!??」あらすじを見つけてホントにそれだけで観た映画なんでございますが












なにこれめちゃクソ面白いじゃない






断言します“「500日のサマー」系が好きな人なら絶対ハマる”いやーこれまたとんでもねぇ作品を引いちまったなー!!!まさに“埋もれた名作”とはこの事よ!?キャスト、スタッフ日本ではほぼ全員無名かつ日本ではソフト化さえされていない(2016年製作だからもう期待してもムリ?)いやしかし何故どこの配給会社も拾わなかったのか!?コレは是非ともオヌヌメしたい、そんな映画だったわけなんですねー。



枡アナの鼻を30cm長くしたようなふかわりょうヘアーの主人公ディーンは独特な“脱力系”タッチがウリのイラストレイター。代表作「面白いイラスト」の作者である彼は闘病の末亡くなった母の死をきっかけに“面白い作品”が書けずにいた。一方離れて暮らす父ロバートはというと母の死後セラピーにハマりどことなく“第二の人生”をエンジョイしているように見える。ある日「一人で住むには広すぎるから実家を売りたい」と相談を持ちかけられるディーン。しかし亡き母との数え切れない程の思い出の詰まった“我が家”を売られたくないとロバートと会うことを拒否し続ける。そして会えない“理由”として咄嗟に思いついた言い訳が














「オレ土曜にLA行くからムリ」






いやーOPから独特な“世界観”で描かれるディーンの絵。これがまたなんというか、絵からして突っ込まずにはいられないシュールな笑いを誘うというか














バカリズムの紙芝居的笑い





突き抜けたアメリカンな笑い、とはちょっと違う自虐ネタっぽいクスッとした笑い?(笑)まずこのディーンという主人公からして抜群に「イケてない」芸人のソレでクラブでの女性の口説き方は“最悪”だし(口説いたことなくてもわかるわ!笑)デートの日に初めて会った時と同じ服装で行って指摘されるみたいな(笑)とにかくディーンの“残念さ”が見ていて笑いを誘う。演じるのは本作で監督も務めるディミトリ・マーティンというコメディアンです。ああだから笑いのセンスがあるのか、日本ではあまり聞き慣れない方ですが他の作品にも俳優として出演しているみたいですね。もし気になる方は同じネトフリで彼のトークショーが配信されていますのでチェックしてみて下さい。他にもネコと女の事で頭が一杯の友人に被害妄想ありすぎ女友達(美術館のシーンはツボ笑)などキャラクター同士の掛け合いや画面が二分割される演出も面白いし劇中歌のセンスもいいやっぱりコメディアンって映画作るセンスあるんだよな〜!!



またいいのがそんなドジなディーンにめちゃくちゃ“親近感”湧くところなんですよね。親友だと思っていた新郎の結婚式で付添人に選ばれない(“第二”付添人とかいうビミョーな立ち位置笑)とかもう日本はそんな事しないけどわかりみが深すぎて林超えて森超えて新一(笑)“共感に次ぐ共感”を呼ぶ愛すべきキャラクターでもあるんですよこのディーンという男は……おっと、時を戻そう



“なんとなく”ロサンゼルスにやってきてしまったディーン。サンタモニカビーチでキャリーバッグ引きずりながらダラダラ歩く感じとか……懐かしいなぁ〜(ちなみにこの後彼は「フ◯ック」と言う笑)ただそこまで“観光名所案内映画”ではありませんでした(ほか誰かLAを舞台にした映画教えて下さい!!笑)女友達の紹介で行った見知らぬパーティ会場で偶然出会ったニッキーという女性に一目惚れしたディーンは猛アタックの末なんとかいい感じに……一方その頃ロバートも不動産屋のシングル熟女のキャロルとこれまたいい感じになっていき………父と子、二人の恋の行方は?みたいなラブコメ要素もまたイイんでございますよ。



「ベビーシッター」のサマラ・ウィーヴィング、マーゴット・ロビーにどことなく雰囲気が似ているギリアン・ジェイコブス演じるニッキーというノリが良くって元気ハツラツな彼女がメチャクチャキュートでこりゃ、ディーンがズブズブドはまりしちゃうのも納得だわ〜“恋の駆け引き”は完全に見通されてましたけどねッ!!(笑)



笑えるだけの映画かと思いきや、愛する家族を失いディーンの心の中にどこかポッカリ穴が空いて、それをなんとか“別のもの”で埋めようとするも、しかしどんなに別人に没頭してもそれでも“失った者に変わる者などいない”という出口の見えないトンネルの中を彷徨うかのような、そんなディーンの心境が彼の描く“絵”を通して描かれる、笑える絵から一転どこか寂しく“深く考えさせられる”ような絵がバンバン出てくるんですよね。しかしそれは父にも“同じこと”が言えて…??



哀しみからどう立ち直るべきか、いいや彼らは少し“前に進むのが早すぎたのかもしれない”難しいですよね〜、ずっとふさぎ込んでいてもいけない、でもすぐに忘れようとすることも出来ない、この“葛藤”。いや〜ラストはなかなか良い物を見させて頂きましたよ。もともとディーンとロバートの関係はそこまで悪いわけではないんですけど、それでも終盤父と子どもがお互いの気持ちを“腹を割って話す”シーンがあって、いやーこんなの家族の“理想のカタチ”過ぎるというか、自分のオヤジとここまで言い合えるってなんだかめちゃくちゃステキやん?っていうか、いやそんな自分もホントはそう出来るようにならなきゃいけないんだろうけども……そんな父親も新しい恋に奮闘しながらもちゃんと息子の事を心配するステキやん?「今日新しいジーパンを買いました。」なんて息子に連絡するのステキやん??家族の温かさ、そんなものも感じられる本当に素晴らしい作品でございました、鑑賞後に即DVD購入を検討しにAmazonで検索かけてもフジオカしか出てこねえよチキショウおおおおおおお!!!!!(泣)







Kommentare


bottom of page