2024総括
- ラーチャえだまめ
- 2024年12月30日
- 読了時間: 9分
テレ東の「孤独のグルメ」一挙放送を見て年末を感じるラーチャえだまめです。さあさあ今年も残すところあと僅かとなりましたよ!?2024年の皆さまの映画ライフはどうでした??私は去年よりは劇場に行けたかな〜、反対にサブスク系は全然見れなかった気も…汗
そんなわけで年末となれば「ベスト映画」をお決めになる方も多いでしょう。その流れにあやかり私も今年度のまとめを、ここでさせて頂きたいと思います。ちなみに私の基準は単純に「心が泣いた回数」順となります……。

まずは10位の「COME TRUE カム・トゥルー 戦慄の催眠実験」。年初めの運試し週間と題してお馴染み1月のゲテモノ映画の祭典「未体験ゾーン」より、毎年その回の「アタリ」映画をランクインさせて頂いておるのですが??今年はコレでしたねー。冒頭からエクセントリックな世界観に「今年のアタリはコレだ!!」と胸がブリンバンバンボンした記憶が未だに鮮明に覚えている、低予算ながらそれを逆手にとったかのようなチープ感、クローネンバーグのSF(あるいは息子のブランドン)世界を彷彿とさせる大変ワタシ好みな映画でしたー。さらに本作の世界観の没入に一役買っている「エレクトリック・ユース」というアーティストが本作のサントラを手がけていて、それがまたいいんですね!!過去にはライアン・ゴズリングの「ドライブ」の主題歌もやっているアーティストでして、どこか懐かしいシンセサウンドも本作の推しポイント。来年の「未体験」も気になりますなぁー。
続いて第9位に選ばせて頂きました「動物界」。いやー今年は後に登場する3位もそうですが“フランス産モンスターパニックの年”という!?それまでハリウッド否アメリカ産が主流だったモンスターパニック界に何の因果か今年はフランスが参戦!?というクリーチャーファンの間では番狂わせ的な1年だったかなーと勝手に思っております…。中でも本作はフランスのアカデミー賞とも呼ぶべきセザール賞に最多12部門ノミネート&フランスで大ヒットをかっ飛ばした異例中の異例のモンスター映画、だったんですねぇ。
…とは言え優秀なのは本作のその根底にあるのは“親元から巣立っていく子”というとっても人間的かつ普遍的なテーマ。そこに“動物”を落とし込んでいるという点。思春期の体と心の変化を“動物化”で表現するのは「テルマ」「ブルー・マインド」を彷彿とさせ、クローネンバーグっぽい“ボディホラー”感もあり特撮もよく出来ている。“わかりきった結末”まで見て残る感情は、悲しみではなく「さあホラ行ってこい」と胸を押されたかのような開放感と爽快感。親の愛を全力でぶつけられたかのような、とっても素敵な映画だったなー…。
8位は今年1番の“興行的失敗作”の烙印を押されてしまった!?いやいやいやいやわかっちゃいない!!期待していたのに「コレジャナイ」と落胆させられた映画ファン=映画の中のジョーカーファン、コレですよね〜。ウマい!!とラスト手を叩きたくなりました「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」。
我々視聴者は最後の最後までトッド・フィリップス監督・ホアキン・フェニックスに清々しいほどに“嘲笑われた”。最後まで我々視聴者、映画ファンが作品の主導権を握ることはなかった。でもこれジョーカーの映画ですよ?ジョーカーが誰かに主導権を握られ操り人形になるなんてことありえなくないですか?1作目で既に完成された物語。“神格化”されたジョーカー。そこから「ヒットしたから続編を作れ」と映画会社・世界中のファンに急かされた結果、神からヒトへ帰化する物語にした英断。「勝手に神格化したのはお前らファンだろう?何を夢見ているのだ?」なんて言われてるみたいな痛烈な皮肉。その皮肉までも含んだ「2部作」なんじゃないかと。いやー本当に素晴らしかった。我々は大いに裏切られ、しかしそれこそがジョーカーだ!!と言わしめる本だと思います。
7位は3作目(最終章?)にして「池松壮亮という裏ボス級強キャラ」を爆誕させた功績が凄まじいシリーズを追う毎に進化した「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」。今年は本作の他、地上波ドラマにドキュメンタリー映画の並行進行、いやいや次の朝ドラヒロインに髙石あかりが抜擢された功績にも確実に一役買っているであろう、そして6位はピエロ界にトンデモクライシスな“番狂わせ”が起こした張本人。8位の「ジョーカー」を抑え北米ランキングで興行成績1位を記録した名実共に“18禁なのにバケモノ級”映画「テリファー 聖夜の悪夢」。安定のグロ。内臓。グロ。表現の限界に挑戦してくれた功績はメダル級!?
5位は、これはもう公開前の“前評判”を聞いた上で観て「やっぱり面白かった」と言えた奇跡の映画ではないでしょうか??「エイリアン ロムルス」。生みの親リドスコ様が“神話化”させて遠い遠い遥か彼方の銀河系に追いやったシリーズを?再び我々庶民の元にカムバックさせブラピの「そうだよコレコレ〜♪」の拙い日本語歌詞に乗せて“原点回帰”したばかりか、これまで数多監督たち独自の「色」を出しながらも違和感なくシリーズのバトンが繋がれてきた稀なシリーズでもある「エイリアン」に??今回はフジファブリックもビックリな「若者のすべて」要素をぶち込み、文字通りそれがフェデ・アルバレス監督の「色」として全面に押出した結果大成功を収めたという快挙。ケイリー・スピーニーの骨太NEWヒロインの爆誕も相まって早くも続編の期待も揺らいでしまう!?
4位は「ロボット・ドリームズ」。いやーこれはですね、正直見た時はフィルマでは⭐︎4.5にしてたんです。家事やるでしょ?皿洗いするでしょ?「セプテンバー」鼻歌するでしょ?うわあああああああああああああ!!泣
…スミマセンそうやって「後からジワる」1位かもしれない、劇場から出た直後はそんなでもなかったんだけど、いや勿論癒される絵にセリフなしのユニバーサルデザイン、そして心温まるストーリー。絵本原作だからと侮るなかれ、アダルトな諸君の心にもグッと響く「出会いと別れ」を描いた素晴らしいアニメーション。そこで流れる「セプテンバー」は歌詞の意味もガッチリハマる相性の良さは言わずもがな、寂しさや悲しみといったマイナスなマインドを明るく照らし背中を押してくれるような、そんな前向きな気持ちにさせてくれる。「出会いがあるから別れもある。」当たり前のことを夢のような映像世界で語ってくれた、老若男女全ての人に刺さる1本だと思いました。
いよいよトップ3の発表です!いやーコレはコレは総括してみて実は今年イチオシのダークホースならぬ「ダークスパイダー」だったんじゃないかと……と言うのも本作を知ったのが今年3月に横浜ブルクで開催された「横浜フランス映画祭」の特別上映、というだいぶ数奇な出会いだったのもありますが、その時はまだ邦画タイトルも決まってないばかりか事前情報すらない状態で「フランス映画でモンスターホラー?絶対ないでしょ」と半信半疑で見てあまりの「ちゃんとしたB級クモ映画」で特大満塁ホームラン級の衝撃を受けた「スパイダー 増殖」!!
クリーチャー愛好家としては完全にやられましたねー。「見る前と後で蜘蛛に対する態度が180度変わる」これでアナタも絶対「クモ嫌い」になること間違いなしの!?最恐最悪のクモ映画なばかりか、スラムに住む主人公のみならず故郷から勝手に持ち込まれたクモに対しても移民・難民問題という仏のお国事情を投影させるこの上手さよ!?本作が長編デビューのセバスチャン・ヴァニセック監督は既にハリウッドからお声がかかっているようですし!?彼のこれからのフィルモグラフィにも注目していきます!!
そして1位&2位はもう、これはほぼ同率なんじゃないかと……今年は日米「アクション映画」をトップに選ばせていただきました。第2位は「フォールガイ」!!

「ウソだろこれCGじゃねえのかよ…!?」
令和4年でこの感動を味わえた奇跡!?まさに時代に逆行するカタチで「実写の限界」に挑んでくれた出演者、スタッフ、デビット・リーチ監督そして今作の「顔」スタントマンにもう一度盛大な拍手を!!再三言っている気もしますが今年は「デッドプール&ウルヴァリン」でもあった「裏方さんへアイラブユーの年」だったんかなーと。今は無き20世紀フォックスをネタにしながら最後は壮大に讃えた「デッドプール〜」に、コチラは裏で映画を支える全てのスタントマンへ最高のアイラブユーを届けてくれたと言いますか、「スタントマンなしにアクション映画は在らず」「実写に敵うアクションなし」を文字通り体現してくれた、CG処理が当たり前のハリウッドアクション事情にまさに一石を投じたと言っても過言ではない、映画史のターニングポイントにもなる1本なのではないかと!?
異論は認めますよ。でももういいじゃないですか、言わせて下さい。いやー本当に今年1年は“ハマっ子大歓喜”な、下半期はベイスターズ優勝、そして上半期はコレ。「帰ってきた あぶない刑事」。平成生まれの私にとって“1作も見たことがなかった”劇場版を、今回新作の予習がてら1から全て見てからのコレ……本当に今年新作をやってくれてありがとうございました。やらなければ絶対に知らなかった不朽のシリーズ。で前作「さらば〜」から8年ぶりのカムバックはお約束??「まだまだオレたち動けるじゃん?」なんてタカとユージが声を掛け合って生まれたかのような御年74歳の舘ひろしと70歳の柴田恭兵。

74歳でコレは出来ないぜ?
白煙の中からノーヘルノーハンドルでバイクにまたがってショットガンをブチかます……長寿大国ニッポンのなせる技!?もうおかしいでしょ!?でバックにタカのテーマ“On The Run”がガンガン流れる……これはもう泣かざるをえん。今回は“横浜市全面(あと川崎チネチッタも)バックアップ”なのか、大さん橋での凱旋パレードに“ロケ地巡り”の冊子の配布等、横浜観光がてらその存在を知り劇場に足を運んだ若い世代の方も多かったのではないでしょうか?“日本人が中国人を演じるチープな演出”「女は黙って下がってろ!」なんていう「THE昭和ノリ」は時代錯誤で失笑もの。ただ昭和ノリは決して悪いものばかりじゃない。海沿いの工業地帯でドッカンバッカン爆破したり車が横転したり……ソンゲバソナな、しかしそうそうコレコレ!!日本のアクションってこういうのじゃん!?そしてタカとユージの永遠の色気と男気に誰も適うことなし!?永遠のヒーロー、永遠のバディ、タカとユージよ永遠なり〜!!
…以上ラーチャ的ベスト10でしたご試聴いただきありがとうございましたー……
ちなみに今年最もランキングに入れようか迷ったのが「オッペンハイマー」。やっぱり今回のノーラン“も”凄かった。見たことのない映像体験。会話劇なのに圧倒的な迫力。IMAX初となるモノクロ映像……全てがSランク高クオリティの神映画。ただ「凄かった」の感動はあれど「面白かった」「楽しかった」とは……果たして日本人である自分は言っていいのだろうか?という葛藤。ノーラン自身はイギリス出身ですが今作はアメリカの視点で“のみ”語られた原発映画。そこに日本人として賛美を送ることは出来ないだろうと思い今回はランキングには入れませんでした。「映画に罪はない」とは言いますが、それはちょっと今作にしてみればそれも言えないんじゃないかな。世界が原発をどう見ているのか、とも違う完全なる“アメリカ映画”として未だに見方に迷う、そんな映画ですね。
それでは私は31日と1日が仕事なので年内最後の更新とします。皆さま今年も1年ありがとうございました。来年も素敵な1年をお過ごし下さい〜^_^
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