哭悲 THE SADNESS(2021)
- ラーチャえだまめ
- 2022年7月11日
- 読了時間: 5分

【原題】哭悲
【監督】ロブ・ジャバズ
【出演】レジーナ・レイ チュウ・シュアンヤン ツー・チアン・ワングほか
【あらすじ】
台湾で感染拡大していた謎のウイルスが突然変異を起こし、人間の脳に作用して凶暴性を助長する恐ろしい疫病が発生した。感染者たちは罪悪感に苦しみながらも暴力衝動に抗えず、街中に殺人と拷問が横行する事態に。感染者の殺意からどうにか逃げ延びたカイティンは、数少ない生存者たちとともに病院に立てこもる。カイティンから連絡を受けたジュンジョーは生きて彼女と再会するため、狂気に満ちた街へひとり乗り出していく。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『黄色のネクタイは“元気”“社交的”“陽気”といったイメー……全部当てはまってた件。』
どーもどーもストレンジャーシングス4のエピソード9で通算5回泣きましたラーチャえだまめです!!本日はそんな抑えきれない“衝動”がとんでもクライシスな残酷絵巻を生んだコチラの映画を拝見させて頂きました
【哭悲 THE SADNESS】!!!キタキタキタァー!!!いやー思いの外公開が早い。海外の映画祭で血を浴びるほどの絶賛の洗礼を浴びた?血みどろの入江あらぬ「血みどろのグログロ」……いやいやそんな映画死体並みに腐るほどあるじゃん?じゅうはっ、、、!!んんん!!じゅうはっ、、、、んんんんんんんじゅうはぁ〜〜〜〜〜……スウッ
「18禁」!!!!!!血だああああああああああ!!!……ハァハァハァ。アンダーセブンティーン以下お断り!!!これでどうだあああああああああHA HA HAHA HA HA HA HA……!!!てあ、あれ、なんだか身体の調子が……
「内臓を抉られる衝撃」「二度と見たくない傑作」……んなもん見たくなるに決まってんじゃねえかよおおお!!!何やら台湾からルーロー飯のバラ肉ならぬ肉片が飛び散るとんでもクライシスな映画がついに凱旋してしまいました、いや最近「アジアゾンビ」も馬鹿に出来ないじゃないですか??これは次なる「新感染」映画になるかも……なんて期待を募らせ拝見させて頂いたのですが、、、

ふれあい性欲園の餌やりコーナーか
Google先生で「コクヒ」と検索するとさいたまの謎の美容院がヒットするどんでん返しをも凌駕するコロナウィルス改め未知の感染症がとっくに街中に蔓延しきった「後」の世界……なーにビビってんだよ!!はじめは緊急事態宣言とか厳格に抑え込もうとした恐怖の感染症も?いざ感染したらサカナクションの山口一郎じゃなくたって「たぶん風邪」レベルの軽症じゃん!!と蔓延から数年が経ち今やすっかり「危機感」が薄れてしまい仕舞いにはウィルスに「アルヴィン」とかマコーレーカルキンカルキンみたいな可愛いネーミングまで命名しちゃったもんだから?世間ではすっかり「なかった」こと認定待ったなしの台湾で___しかし体内に未だ死滅せずに水面下で「進化」を繰り返していたアルヴィンウィルスが?ある時ついに「最悪のメガシンカ」を遂げてしまった…!?

序盤の「覚醒」シーンが緊張MAX &興奮MAX。それ以降はずーっと下へ下へ降下降下降下……その勢いは結局ENDロールまで留まることを知らず?監督は本作で長編監督デビューの台湾在住、カナダ人監督ロブ・ジャバズというこれまた異色なクリエイター……アニメーターから映像の門を潜りその後短編映画が評価され本作で念願叶って「やりたかった」ことを実現…?監督いわく無類の70〜80年代アメリカンな悪魔のグログロ「スプラッター好き」という……それ即ち本作の最大の特徴、尻だけじゃなく目も背けたくなる「18禁映像」。グログロの実の能力者の考えることは実にエゲツない。
確かに本作のグロは折り紙付き、否台湾映画のグロ底力を舐めてはならない。とりあえずグロ=殺し合い=未知の感染症、ここまでは筋が通るがまたウイルスの“設定”がさ、「どーしたら“よりグロく”そして“より残虐”になるか」実にグロ信者に都合の良すぎる感染すると「感染者が思い描く“最も残虐非道でヘンタイちっくな衝動”に駆られてしまう」という!?いやいや狂犬病よりタチが悪いわ!お店の店員が揚げ物作ってますねぇ〜、その油を定員の顔にぶっ掛けたら〜?目の前の女性の目ン玉に傘の先を刺してみたら〜?もう思考がヘンタイなのです!!「どうやって痛々しくヤろうか…」そんなことばかり考えてしまう全くヘンタイだ……実にヘンタイだああああ!!!!
満員電車でいきなりグラサン男が小型ナイフで前にいた男を後ろからサクッ……そのまた隣の人をサクッ……3人目くらい襲われてからようやく乗客たちが異変に気づき車体は大パニック……恐ろしすぎる。いやいや最近日本でも放火事件あったし視聴者にトラウマを植え付けるにはあまりにも好都合すぎるまさに地獄絵図。もう一体何万トン血糊使ったんだか「どうだねこーゆー残虐映像が見たいんだろ?」と監督の挑戦状?とも取れるあまりにも容赦のない光景に映論もお門違いな度肝を抜かれた方もいるかもしれませんしかし嗚呼そうさ!!コレが見たかったんだよおおおー!!!と言う方が観客のほぼ半数以上だとは思いますが

悲しいかな褒められるのはそんな18禁なヴァイオレンス描写のみ。実に筋のないストーリー、「彼女の涙にきっと観客は彼女を「守りたくなる」に違いない!!」と急遽演技経験のないヒロインを起用したらしいしかし魅力のない主人公カップルに慣れない編集に手こずったか?カットすべきシーンを永遠垂れ流しBGMの使い方もお世辞にも上手いとは言えない。具体的にどうなったら感染するのかその辺の設定の脚もグラグラ、ラストも“とにかく悲劇的”にしたいっていうのはわかるけど……それで一体何を伝えたいの?主題が見えてこない、て言うかたぶんそんなもの「ない」。こういうのってマジホラーより思いっきりコメディに振ってくれた方が返って“アラ”が目立たないんだよね。内容がないならコメディチックの方が誤魔化せるというか、まぁーバカ映画だから中身なくても面白いからいいやって納得出来るんですよ。下手にド真面目なホラーやって中身スカスカの方がガッカリ感が強い。
本作が長編デビュー作ということで全体的にかなりグロ描写以外の部分での“力不足”を残念ながら画面から感じとれてしまう、いや見ていて気になってしまう、そんな映画でもあります。

キティちゃん?いえただの変態オジたんです。
いっそのことシナリオも完全“ヘンタイ目線”のおっさん主人公にしたほうが良かったのでは?感染したことでこれまで決して表に出ることがなかった溜めに溜めていた骨の髄まで“オナゴ好き”な“ビジネスマン(パパ)”の主人公に代わり圧倒的な存在感、尽きることのない性欲に恐怖を覚えると共に思わず笑ってしまう程の妙な魅力を秘めたキャラクターは良かったですね。おっさんよ、ヘンタイなれ!!あ、いや永遠なり!!?
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